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自費出版・共同出版の基礎知識

商業出版と自費出版の違いとは?費用・流通・書店販売・本の残り方を解説

アアチェロ編集部読了目安 約16分
原稿の先で本棚と書店の二つの道に分かれる分かれ道
目次
  1. 01商業出版と自費出版の違いは費用負担と出版の決定権にある
  2. 02商業出版と自費出版では編集・制作への関わり方が違う
  3. 03書店流通は「流通できること」と「売り続けること」を分けて考える
  4. 04ISBN・書誌情報・法定納本は本を識別し記録するための仕組み
  5. 05図書館で扱われる本には何が見られるか
  6. 06翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合の注意点
  7. 07商業出版と自費出版のどちらが向いているか
  8. 08参考情報・注釈
  9. 09まとめ:商業出版と自費出版は、目的に合わせて選ぶ出版方法である

商業出版と自費出版のいちばん大きな違いは、費用を誰が負担し、出版するかどうかを誰が決めるかにあります。そのほかにも、編集・制作への関わり方、書店流通、ISBNや法定納本による本の記録のされ方が変わります。どちらを選ぶかは、出版の目的しだいです。

本を出版したいと考えたとき、多くの人が最初に迷うのが、商業出版と自費出版は何が違うのかという点です。

費用は誰が負担するのか、出版社はどこまで関わるのか、書店に並ぶ可能性はあるのか、完成した本はどのように記録されるのか。どちらの言葉もよく耳にしますが、実際の違いは分かりにくいものです。

大きな違いは、費用を誰が負担するかと、出版するかどうかを誰が決めるかにあります。商業出版は、出版社が費用を負担し、企画として成立すると判断した本を刊行する方法です。自費出版は、著者が費用を負担し、自分の原稿や作品を本にする方法です。

ただし、違いは費用だけにとどまりません。本づくりには、編集、校正、デザイン、印刷、流通、販売、書誌情報、納本など多くの工程があり、商業出版と自費出版とでは、それぞれの工程への関わり方や出版後の動きも変わってきます。

この記事では、商業出版と自費出版の違いを、費用負担、編集・制作、書店流通、本の記録の残り方の順に整理します。後半で取り上げるのは、翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合に確認しておきたい点です。

まずは、もっとも基本になる費用負担と出版の決定権から見ていきます。

商業出版と自費出版の違いは費用負担と出版の決定権にある

商業出版と自費出版の大きな違いは、費用を誰が負担し、出版の判断を誰が行うかです。

商業出版と自費出版を、費用負担・出版の判断・編集・書店流通・本の記録の5項目で比べた表

商業出版では、出版社が企画として成立すると判断した本に費用を投じます。自費出版は、著者が費用を負担して自分の原稿や作品を本にする形です。

この違いを先に押さえておくと、編集、流通、販売、実績の見え方についても整理しやすくなります。

商業出版は出版社が費用を負担して刊行する

商業出版は、出版社が制作費を負担し、販売を前提に本を刊行する方法です。

企画、編集、校正、デザイン、印刷、流通、販売にかかる費用は、基本的に出版社が負担します。著者が制作費を支払って本を出す形にはなりません。

その代わり、出版するかどうかは出版社が判断します。原稿の内容、読者層、市場性、著者の実績、出版社の刊行方針などを踏まえて、企画として成立するかが検討されます。

つまり商業出版は、著者が希望すれば必ず進む方法ではありません。企画が通った場合に、出版社の編集・制作・流通の仕組みの中で本が作られていきます。

自費出版は著者が費用を負担して刊行する

自費出版は、著者が制作費を負担して本を刊行する方法です。

費用に含まれうるのは、編集、校正、デザイン、印刷、製本、流通手続きなどです。どこまでの工程を依頼するかによって、費用も仕上がりも変わります。費用の内訳や流通の詳しい仕組みは、自費出版の仕組みの記事で解説しています。

自費出版の特徴は、著者の意向を反映しやすいことです。商業出版には出版社の判断が欠かせませんが、自費出版では著者が費用を負担するぶん、自分の原稿や作品を本の形にしやすくなります。

一方で、費用を払えば広く売れるという意味ではありません。本を作ること、書店に流通させること、読者に届け続けることは、それぞれ別の問題です。

どちらがよいかは出版の目的によって変わる

商業出版と自費出版は、どちらが上というものではありません。

広い読者に届けたいのか、自分の意向を反映したいのか、翻訳や創作の成果を本として残したいのか。目的が違えば、向いている出版方法も変わります。

商業出版では、出版社の審査や判断を通る必要があります。自費出版は自分の意思で本を作りやすい反面、費用負担、販売後の動き、流通範囲、在庫管理などを事前に確かめておかなければなりません。

出版方法を選ぶときは、商業出版か自費出版かという二択にとどまらず、その本を読者にどう届けたいのかまで考えることが大切です。

出版の目的が見えてきたら、次に確認したいのは、実際に本を作る工程に誰がどこまで関わるのかという点です。

商業出版と自費出版では編集・制作への関わり方が違う

商業出版と自費出版では、編集や制作に誰がどこまで関わるかも変わります。

本は、原稿をそのまま印刷すれば完成するものではありません。読者に届ける本にするまでには、編集、校正、デザイン、印刷、製本といった工程があります。

これらの工程を誰が主導し、どの程度まで整えるかによって、本の仕上がりは変わります。

商業出版では出版社の編集方針が入る

商業出版では、出版社が読者層、販売方法、刊行方針などを踏まえて本を作ります。

そのため、著者の原稿がそのまま本になるとは限りません。編集者は、構成、文章の読みやすさ、読者に伝わる順番、表記の統一などを確認し、必要に応じて修正や構成の変更を提案します。

これは著者の表現を否定するためのものではありません。読者に届く本として整えるための工程です。

自費出版では著者の意向を反映しやすい

自費出版には、著者の意向を反映しやすいという特徴があります。

内容、装丁、部数、判型、紙、デザイン、販売方法などについて、著者の希望を反映できる範囲が広がります。自分の作品を自分の考えに近い形で本にしたい人にとって、この自由度は大きなメリットです。

ただし、自由度が高いほど、編集や校正の質をどう確保するかが重要になります。誤字脱字、表記ゆれ、内容の整理、読みやすさ、デザイン上の見え方などを十分に確認しないまま進めると、完成後に直しにくい問題が残ることがあります。

自費出版を選ぶ場合は、自由に作れるという点だけで判断せず、どこまで編集・校正が入るのかを確認しておくことが欠かせません。

自由度と品質管理は分けて考える

商業出版と自費出版を比べるときは、自由度と品質管理を分けて考える必要があります。

商業出版では出版社の編集方針が入るため、著者の希望がすべて通るとは限りません。その一方で、編集、校正、制作、販売の工程は出版社の判断のもとで進みます。

自費出版では著者の希望を反映しやすいものの、編集や校正をどこまで行うかは契約内容しだいです。著者の意向を大切にしつつ読者に伝わる本として整えるには、第三者の確認が必要になる場合もあります。

自由に作れることと、読者に届く本として整っていることは、同じではないのです。

続いて、出版後に本を読者へ届ける仕組みである書店流通を見ていきます。

書店流通は「流通できること」と「売り続けること」を分けて考える

書店流通については、本が流通できることと、書店で売れ続けることを分けて考える必要があります。

商業出版でも自費出版でも、本が書店で扱われる可能性はあります。ただし、流通に乗ること、書店に配本されること、棚に残り続けること、売れ続けることは、それぞれ別の段階です。

書店流通を考える場合は、出版後にどのような販売活動があるのか、注文に対応できるのか、在庫管理はどうなるのかまで確認しておく必要があります。

取次を通じて書店に届く仕組み

出版物は、出版社から取次を通じて書店に届くことがあります。

取次(出版社と書店の間に入る出版流通会社)は、本を全国の書店へ流通させる役割を担う会社です。日本の出版流通は、出版社から取次へ本が送られ、取次を通じて書店へ届く仕組みです。

商業出版では、この流通網を使って書店へ本が届けられます。自費出版でも、流通型の仕組みを使えば、取次やオンライン書店を通じて注文できる状態にできる場合があります。

そのため、自費出版だから書店流通は一切できない、とは言い切れません。ただし、どの書店にどの程度並ぶか、どのように注文できるかは、出版方法や契約内容によって異なります。

配本された本が書店に残り続けるとは限らない

本が配本されたとしても、書店の棚に長く残り続けるとは限りません。

書店の棚には限りがあり、新刊や売れ行きのよい本、話題性のある本、出版社から継続的に案内される本などが優先されることもあります。

商業出版では、出版社が書店へ案内を行ったり、販売状況を見ながら追加注文や販促を進めたりする場合があります。

一方、自費出版の場合は最初の流通手続きが中心になり、その後の継続的な書店営業がどこまで行われるかは契約内容によってまちまちです。

書店流通を考えるときは、流通できるかどうかに加えて、出版後にどのような販売活動があるのかも確認しておく必要があります。

書店販売には販売後の動きも関係する

本を読者に届けるには、出版後の動きも関係してきます。

書店に並ぶ、注文できる、紹介される、追加注文が入る。これらは似ているようで、それぞれ違うことです。

商業出版では、出版社が販売計画を立てたり販促活動を行ったりすることがあります。自費出版でも、出版社や制作会社がどこまで販売を支援するかによって、本の動き方は同じではありません。

本を広く届けたい場合は、制作費だけでなく、出版後の流通、販売支援、在庫管理、受注対応まで確認しておくと判断しやすくなります。

ここまでは、読者に本を届けるための流通の話でした。次に、本が出版物としてどのように識別され、記録されるのかを見ていきます。

ISBN・書誌情報・法定納本は本を識別し記録するための仕組み

ISBN・書誌情報・法定納本は、本を識別し、記録し、保存するための仕組みです。

いずれも本の品質や売れ行きを保証する制度ではありません。それでも、本を探しやすくしたり、出版物として記録したりするうえで重要な役割を持っています。

商業出版と自費出版を比べるときは、こうした仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

ISBNは書籍を識別するための番号

ISBNは、書籍を識別するための国際的な番号です。

ISBN(国際標準図書番号)は、出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するための番号で、書店、図書館、出版流通、目録管理などの場面で本を見分けやすくするために使われます。

ただし、ISBNがあるからといって、本の品質が保証されるわけではありません。書店に必ず並ぶ、販売部数が伸びる、図書館に必ず入るという意味でもありません。

ISBNは、あくまで本を識別しやすくするための仕組みとして理解しておく必要があります。

書誌情報は本を探しやすくするための情報

書誌情報は、本を探しやすくし、管理しやすくするための情報です。

書誌情報(本のタイトル、著者名、出版社名、発行日、ISBN、判型、ページ数など、本を識別するための情報)が整っていると、書店や図書館、読者が本を確認しやすくなります。

商業出版では、書誌情報を整えて流通や販売に使うのは出版社です。自費出版でも、書誌情報を整えておけば、後から本を説明しやすくなります。

ただし、書誌情報があることも、販売や評価を保証するものではありません。あくまで、本を識別し、探しやすくするための情報です。

法定納本は国内出版物を国立国会図書館に納める制度

法定納本は、国内で発行された出版物を国立国会図書館に納める制度です。

法定納本(発行された出版物を国立国会図書館に納める制度)は、国内の出版物を収集・保存するための仕組みです。個人による自費出版物でも、相当部数を作成して頒布されるものは納本の対象になる場合があります。

ただし、国立国会図書館への納本は、販売や一般の図書館での所蔵を保証するものではありません。また、ISBNやJANコードがない出版物でも納本の対象になる場合があります。

納本制度は本を保存するための制度であり、本の品質や流通を保証する制度ではないと理解しておく必要があります。

図書館で扱われる本には何が見られるか

図書館で扱われるかどうかは、出版方法だけでは決まりません。

商業出版か自費出版かという違いだけで、図書館に入るかどうかを判断することはできません。図書館では、各館の収書方針、資料価値、地域性、利用者のニーズ、管理のしやすさなどが見られます。

本を図書館に所蔵してもらいたい場合は、出版方法に加えて、書誌情報や資料としての扱いやすさも意識しておく必要があります。

ISBNや書誌情報は確認材料になる

ISBNや書誌情報は、図書館が本を確認するための材料になります。

ISBNや書誌情報が整っていると、本のタイトル、著者名、出版社名、発行日、判型、ページ数などを確認しやすくなります。図書館で本を管理する際にも、こうした情報は重要です。

また、MARC(図書館が本を管理するための機械可読の書誌データ)が整っている本は、図書館側で書誌情報を扱いやすくなる場合があります。

ただし、ISBNや書誌情報、MARCがあるからといって、必ず図書館に所蔵されるわけではありません。

図書館の受入は各館の方針で判断される

図書館の受入を判断するのは、各館の方針です。

公共図書館、学校図書館、大学図書館など、それぞれの図書館には収書方針があります。地域に関係する資料を重視する場合もあれば、利用者の需要、蔵書構成、資料価値を見て判断する場合もあります。

そのため、自費出版の本だから図書館に入らない、商業出版だから必ず図書館に入る、とは言い切れません。

図書館で扱われる可能性を考える場合は、各館の方針や資料としての扱いやすさを確認する必要があります。

出版方法だけで図書館に入るとは限らない

出版方法だけで、図書館に入るかどうかが決まるわけではありません。

商業出版であっても、すべての本が図書館に所蔵されるわけではありません。自費出版であっても、内容や地域性、資料価値によって扱われる可能性はあります。

図書館で扱われる可能性を考えるときは、出版方法のほかに、書誌情報が整っているか、資料として確認しやすい形になっているか、各館の方針に合う内容かを、一つずつ分けて見ていく必要があります。

ここまでは、出版方法全般に共通する仕組みを見てきました。ここからは、翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合に、特に確認しておきたい点を整理します。

翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合の注意点

翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合は、出版方法に加えて、権利関係と翻訳の質も確認する必要があります。

商業出版か自費出版かを考える前に、まずその海外作品を翻訳して出版できる状態にあるのかを確かめなければなりません。

原書がある場合は、著作権や翻訳権の確認が必要です。また翻訳絵本の場合は、原書の絵、ページ構成、余白を日本語訳によって損なわないようにする必要があります。

翻訳権や著作権の確認が必要

海外作品を翻訳して出版する場合は、翻訳権や著作権を確認する必要があります。

翻訳権(著作物を別の言語に翻訳する権利)は、原作の著作権が保護されている場合に確認が必要になる権利です。原作者、出版社、エージェントなど、権利を管理している相手から許諾を得なければならない場合があります。

自分で翻訳した文章であっても、原作をもとにしている以上、権利処理をせずに出版できるとは限りません。

文化庁の著作権解説でも、外国の小説を日本語に翻訳した場合のように、原作をもとに新たな創作性を加えたものは二次的著作物にあたると説明されています。翻訳出版では、原作者側の権利と翻訳者側の権利の両方を意識しておく必要があります。

翻訳絵本では原書の構成を日本語で壊さないことが重要

翻訳絵本では、原書で成立している構成を日本語で壊さないことが重要です。

翻訳絵本(翻訳されて刊行された絵本)では、原書の絵、ページ構成、余白、場面展開がすでに成立しています。翻訳者が確かめるべきなのは、絵と文章が合っているかどうかという点にとどまりません。原書で成立している絵と文章の関係を、日本語訳によって損なっていないかどうかです。

日本語にしたときに文字量が増えすぎると、ページ全体の見え方や読み聞かせのリズムに影響しかねません。絵本翻訳の仕事内容は、絵本翻訳家の記事で詳しく扱っています。

翻訳絵本を本として残す場合は、権利関係だけでなく、編集・校正、訳者名の扱い、書誌情報としての記録も確認しておく必要があります。

訳者名が記録されることと仕事の保証は別で考える

訳者名が奥付や書誌情報に記録されることと、次の仕事が保証されることは別の話です。

奥付(本の末尾にある、著者、翻訳者、発行所、発行日などの情報が載ったページ)や書誌情報に訳者名が載ると、その本の翻訳に関わった事実を説明しやすくなります。

ただし、それだけで仕事が保証されるわけではありません。訳書の実績は、次の応募や相談の際に自分の経験を説明するための材料と考えるのが適切です。翻訳家を目指す人に向けた全体像は、翻訳家になるにはの記事で整理しています。

ここまでを踏まえて、最後に、商業出版と自費出版のどちらが向いているかを目的別に整理します。

商業出版と自費出版のどちらが向いているか

商業出版と自費出版のどちらが向いているかは、出版の目的によって変わります。

広い読者に届けたいのか、自分の意向を反映して本を作りたいのか、本として記録を残したいのか。目的によって、確認すべき点も異なります。

広い読者に届けたい場合

広い読者に届けたい場合は、商業出版の仕組みが合うことがあります。

商業出版は、出版社が企画として成立すると判断した本を、編集・制作・流通・販売の体制の中で刊行する仕組みです。書店営業や販促、在庫管理なども、出版社の事業として行われる場合があります。

ただし、商業出版は出版社の判断を通る必要があり、企画が採用されなければ刊行には進みません。著者の希望だけで自由に出せる方法ではない点も、理解しておく必要があります。

自分の意向を反映して本を作りたい場合

自分の意向を反映して本を作りたい場合に選択肢となるのは、自費出版です。

自費出版では著者が費用を負担するため、内容や装丁、部数、刊行時期などについて希望を反映しやすくなります。商業出版では通りにくい内容でも、本の形にしやすい場合があります。

一方で、費用負担、編集・校正の質、販売後の流通、在庫管理、書店営業の有無などは事前に確認が必要です。

自由度が高い分、どこまで支援を受けられるのかを把握しておくことが大切です。

翻訳実績や本としての記録を重視する場合

翻訳実績や本としての記録を重視する場合は、出版物としてどのように記録されるかを確認する必要があります。

ISBN、書誌情報、法定納本などは、本を識別し、記録し、保存するための仕組みです。本の品質や販売を保証するものではありませんが、自分が関わった本を後から説明しやすくする材料になります。

翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合は、費用や流通に加えて、権利関係、編集・校正、訳者名の記録、書誌情報としての扱いまで確認しておくと判断しやすくなります。

ここまで見てきたように、商業出版と自費出版は、費用の違いだけで選ぶものではありません。最後に、判断するときの要点をまとめます。

参考情報・注釈

ISBNと書籍JANコードについて

日本図書コード管理センターは、ISBNを、出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するコードと説明しています。また書籍JANコードについては、日本図書コードの文字情報を2段のバーコードシンボルで表現したものと説明しています。ISBNや書籍JANコードは、本を識別し、流通で扱いやすくするための仕組みであり、品質や販売を保証するものではありません。

納本制度について

国立国会図書館は、個人による自費出版物でも、相当部数を作成して頒布されるものは納本の対象になる場合があると説明しています。ISBNコードやJANコードがない出版物でも、納本の対象になる場合があります。ただし、納本は販売や一般の図書館での所蔵を保証するものではありません。

JAPAN/MARCについて

国立国会図書館は、JAPAN/MARCを、国立国会図書館が作成したMARC形式の全国書誌データおよび典拠データと説明しています。MARCがあることは、図書館で書誌情報を扱いやすくする要素にはなりますが、図書館での所蔵を保証するものではありません。

翻訳権と二次的著作物について

文化庁の著作権解説では、外国の小説を日本語に翻訳した場合のように、原作をもとに新たな創作性を加えたものは二次的著作物にあたると説明されています。海外作品を翻訳して出版する場合は、原作の著作権や翻訳権を確認する必要があります。

まとめ:商業出版と自費出版は、目的に合わせて選ぶ出版方法である

商業出版と自費出版の違いは、費用負担だけではありません。

商業出版は、出版社が費用を負担し、企画・編集・制作・流通・販売の判断を行う出版方法です。自費出版は、著者が費用を負担し、自分の意向を反映しながら本を作りやすい方法です。

どちらにも利点と注意点があります。商業出版は広い流通や出版社の制作体制を活用しやすい反面、出版社の審査や編集方針があります。自費出版は著者の自由度が高い反面、費用負担、編集・校正、販売後の動き、書店流通の範囲の事前確認が欠かせません。

ISBN、書誌情報、法定納本は、本を識別し、記録し、保存するための仕組みです。本の品質や販売を保証するものではありませんが、本を後から確認しやすい形で残すうえでは重要な要素になります。

翻訳原稿や海外作品を本にしたい場合は、商業出版か自費出版かという点に加えて、翻訳権や著作権、編集・校正の体制、訳者名の記録、書誌情報としての扱いまで確認することが大切です。

出版方法を選ぶときは、どちらが上かではなく、自分が本を出す目的に合っているかを基準に考える必要があります。

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